反進化論法と同じだな

 的確に問題を突いているのだが、元がギャグテイストの漫画なのでギャグに見えるのが残念。これと同様のことがリアルに起こる可能性があるのだが。で、興味深いのがコメント欄。この辺を見る限り、今回の問題はもはや宗教どうしの対立と同じことになっちゃってるので歩み寄りは無理ではないかと思う。

 さて、米国では「反進化論法」という法律が制定されていたことがある。「ダーウィンの進化論は『すべての動物は神が作った」という聖書の記述とは間違っている、誤っている進化論を学校で教えるな」という動きから制定されたものだ。この「反進化論」的な考え方と、今回の規制に賛同する方々の「有害な表現は犯罪者を生む」という考え方は似ているように見える。「進化」そのものは実際には観測できないが、人間がさまざまな過程を経て進化してきた、という証拠は多数あり、科学的には「進化論」を否定する要素はない。しかし、反進化論者はそれを明確な根拠もなしに否定、法律制定にまで発展した。同様に、「ポルノと犯罪の発生には有意な関係ない」という証拠も多数ある(/.J:ポルノは人間にとって悪いものではない)のだが、これを否定する人は信じない。

 反進化論法が成立したのは、「宗教」という(そのことが事実かどうかに関係なく)大多数が信じるものが背景にあったからなのだが、「有害な表現は犯罪者を生む」というのが信じられている背景には何があるのだろうか? その1つとしてはいわゆる「気持ち悪いオタク」の存在が考えられるのだが、残念ながら私は「気持ち悪いオタク」に実際に会ったことがない(気持ち悪い人、なら見かけるが)。そのため、本当にそのような人が存在しているのか分からない。そもそも「気持ち悪い」という感覚自体人によって異なるわけで、結局主観的な議論に帰結されてしまう。

 ちなみに主観的な視点で議論をふっかける相手を論破するのは至難の業なので、私は関わらないようにしている。とりあえず人に議論をふっかけようとしている人は、まず自分が言っていることが客観的なのかどうかを考えてから発言してほしい。まぁ、それが判断できないから水掛け論になるのだが。